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就業規則作成ってなぜ重要?(懲戒処分をするには)

会社経営において、就業規則の作成は単なる形式的なものではなく、経営者にとって欠かせない労務管理のルールブックです。特に、社員に対する懲戒処分においては、就業規則に明確な規定がなければ、会社が適切な対応を取れず、トラブルや訴訟のリスクが高まります。

就業規則の作成はなぜ重要か?

就業規則は、労働基準法に基づき常時10人以上の従業員を雇用する事業所には作成義務があり、従業員の権利と義務を明文化するものです。特に重要な役割を果たす点は以下の通りです。

①労務トラブルの予防

就業規則に労働条件や懲戒規定などを明確に定めることで、労務トラブルを未然に防ぎます。曖昧なルールのままでは、従業員との間で誤解や不満が生じやすくなり、会社にとって大きなリスクとなる可能性があります。

②会社の方針を明示

就業規則は、会社の経営方針や働き方の基準を反映するものであり、従業員に対して一貫した基準を示すことが可能です。特に懲戒処分など重要な事項を明文化することで、従業員に対する対応を公正かつ一貫して行うことができます。

③法律的な証拠

いざというとき、就業規則は会社を守るための重要な証拠となります。特に裁判や労働審判の場では、規則に基づいた適切な処分を行ったかどうかが問われるため、規則の存在と運用が非常に重要です。

懲戒処分の重要性と適正運用

懲戒処分とは、社員が会社の規則や社会的ルールに反する行為をした場合に科される制裁です。懲戒処分のルールを明確にすることは、会社のリスク管理にとって極めて重要です。ただし、その運用を誤ると、逆に会社側が不利になる場合もあります。懲戒処分の適正運用には、次のポイントが求められます。

 

懲戒の種類とその明文化

就業規則には、懲戒の種類(戒告、減給、出勤停止、解雇など)を具体的に規定することが必要です。これにより、従業員は自身の行動がどのような結果を招くかを理解でき、会社側も透明性を持って対応できます。

懲戒の理由を明示することの重要性

例えば、無断欠勤や交通違反、不正経理、服装などの服務規律を明確にし、懲戒に該当する行為を具体的に示しておく必要があります。これにより、従業員にとって納得感のある処分が下せると同時に、処分の妥当性が法的に認められる可能性が高まります。

一貫した運用と透明性

懲戒処分を実施する際には、公正かつ一貫した運用が不可欠です。処分が感情的であったり、不公平に行われると、従業員から不服申立てや裁判に発展する恐れがあります。そのため、処分の過程を透明にし、ルールに基づいて冷静に対処することが必要です。

懲戒処分における適切なステップ

懲戒処分を適正に行うために、以下の手順を守ることが重要です。

①事実確認を徹底する

処分を決定する前に、関係者からの聞き取り調査や事実関係の確認を徹底しましょう。

②就業規則に基づいた処分を行う

ルールに則った処分であることを従業員に説明し、透明性を保ちます。

③処分内容を文書で通知する

処分の内容や理由を文書で明確に伝え、従業員の理解と反省を求めます。これにより、後のトラブルを未然に防ぐことができます。

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