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幼稚園・保育園の労務トラブル対策に使える!就業規則整備法

幼稚園・保育園の労務トラブル対策に使える!就業規則整備法

近年の働き方改革の影響からか、当社労士法人でも幼稚園や保育園経営者からの問い合わせが急増しています。

労働環境整備の基本である就業規則の整備について考えてみませんか?

 

幼保業界で起こりやすい労務トラブルとは?

幼稚園教諭や保育士の働く環境には、以下のような労務トラブルが発生しやすい特徴があります。

①労働時間の管理が難しい

• 行事対応や慢性的な人手不足などの理由で労働時間が不規則になりがち。

• 持ち帰り業務(連絡帳の記入、行事準備など)が発生しやすく、時間外労働の管理が不透明になりやすい。

• 休憩時間の確保が困難で、法律上の休憩時間(6時間勤務で45分、8時間勤務で1時間)を満たしていないケースがある。

② 職員間の人間関係・ハラスメント問題

• 女性が多い職場のため、コミュニケーションのトラブルや職場内のハラスメントが発生しやすい。

• ベテラン職員と若手職員の間で指導の行き過ぎが問題になることも。

③ 保護者対応の負担増

• クレーム対応やトラブル処理に追われる職員が多い。

• 業務時間外の電話対応やLINEのやり取りが負担になりやすい。

こうしたトラブルを防ぐために、就業規則を適切に整備することが重要です。

 

就業規則に盛り込むべき重要ポイント

① 労働時間の管理を明確にする

• 勤務時間のルールを明確にする(交代制の仕組み、超過勤務の扱いなど)。

• 持ち帰り業務の実態を把握し、就業時間外の業務を原則禁止とする規定を設ける。

• 休憩時間を確実に取得できるように業務分担を見直す(交代での休憩取得ルールを明記する)。

② ハラスメント防止規定の明文化

• パワハラ・セクハラ・マタハラ防止のための明確なルールを設定し、違反時の対応策を規定。

• 職員向けのハラスメント研修の実施を就業規則に明記し、予防策を講じる。

• 相談窓口を設置し、匿名相談も可能な体制を整える。

③ 保護者対応に関するルール策定

• 業務時間外の対応を制限し、職員の負担軽減を図る(例えば「業務時間外の電話・LINE対応を禁止」など)。

• 保護者からのクレーム対応について、誰が対応するのかを明確化し、職員個人に負担が集中しないようにする。

• クレームがエスカレートした場合の管理職へのエスカレーションルールを明記。

 

運用のポイント:就業規則を「形だけ」にしないために

就業規則を作成しても、実際に現場で運用されなければ意味がありません。以下の点に注意して、職員全員が理解し、実践できるようにしましょう。

  1. 入職時のオリエンテーションで説明し、規則を徹底する。

  2. 定期的に就業規則を見直す(職員の意見を取り入れ、改善する)。

  3. トラブルが発生した際に、判断基準について「就業規則に沿って対応する」意識を徹底する。

 

労働環境の改善が、より良い保育につながる

幼稚園・保育園の運営において、職員の働きやすさは子どもたちの健やかな成長にも直結します。適切な就業規則の整備と運用を行うことで、職員の負担を軽減し、より良い職場環境を作ることが可能です。

 

「今の就業規則は本当に現場に合っているか?」

この機会に見直しを行い、職員が安心して働ける環境を整えてみませんか?

当法人でお手伝いさせていただく就業規則は会社の数だけ内容が異なり、1社1社オーダーメイドで作成させていただきます。

 

就業規則の整備や見直しについてお悩みの方は、ぜひ専門家である社労士にご相談ください。

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